薬剤師のヒューマニズム教育の内容

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薬剤師を育てる大学の薬学部において、近年その教育カリキュラムが変わってきています。
そんな中、より仕事を円滑に行うため新たに導入されたのが「ヒューマニズム教育」です。
一見あまりピンとこない名前のカリキュラムですが、しっかりとした仕事のできる薬剤師を育てる上で必要な教育と言われています。

ヒューマニズム教育とは、薬の調合を行う上で必要な知識や技術の教育ではなく、精神論に特化した教育です。
人間の生命を預かる職業であるということを十分に自覚し、それに見合った態度や行動ができるようにするものとなります。
つまり、命の尊さや患者の人権、気持ちなどといったことに十分な理解を示し、医療人と患者の関係性をどう構築していくかという人と人とのつながりに関するノウハウ、言い換えれば、医療に携わる人間ならではの人間学ということですね。

ヒューマニズム教育では、患者の不安を取り除くためにどのような振舞い方をすれば良いか、という部分をかなり徹底して学びます。
患者は、ほぼ例外なく心細い状態で病院や薬局を訪れます。
その中で、どう接してどのように説明し、どのように案内するかということは薬の調合とはまた違ったベクトルですが、同じくらいとても重要なことです。
医療の発展は技術や機械、薬などの開発も大切ですが、患者へのサービスの向上という点も無視できません。
この教育課程では、薬剤師としての礼儀作法にはじまり、患者との向かい方、接し方といった職業としての作法にも及ぶことになります。

ただ、ヒューマニズム教育の教育課程には一定の問題点もあります。
「要するに医療人のあり方のマニュアルを作るということではないか?」という意見も少なからずあるということです。
生命を扱う医療という仕事は、非常に細部にまで気を配る必要があるのは間違いありません。
しかし、あまりに画一的にしすぎると人間味が失われ、かえって患者との距離が離れてしまうという危惧も指摘されています。

医療という分野に心理学や人間学などの分野が介入するのは、精神疾患の増加に伴い自然な流れではありますが、医療人に対してまでそれを許すのはどうか、という意見もあります。
また、ヒューマニズム教育のあり方自体もまだ確立はされておらず、今後さまざまな課題を乗り越えていく過程にあるといえるでしょう。

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